2003年11月07日
サッカー選手の資産運用
毎週金曜日はフットボール・インダストリーズ・コースがゲストスピーカーを招く日である。今日はスポーツポイント・インターナショナル(Sportpoint International)というスポーツマネージメント会社を自ら興したマイク・ウィリアムス氏が講演に来てくれた。
この会社の名前は全く聞いたことがなく、講演者のことも初めて知ったが、話の内容は非常に興味深いものだった。彼のメインクライアントは、オランダ代表DFのヤップ・スタム。スタムは2001年の9月までマンチェスター・ユナイテッドでプレイしていたが、監督との確執が原因でイタリアのラツィオへ移籍した。当時は、その夏に彼が出版した自伝本が確執の原因と報道されていたが、実際は負傷後の彼のパフォーマンスに満足できなかったファーガソン監督が見切りを付けたということらしい。それに対して、彼もすぐさま行動を起こし、イタリアへ飛んでそのまま契約を交わし、二度とイングランドに帰ってこなかったらしい。
少し前に書いたブラジル人選手とは対照的な行動、契約だと思った。クラブへの忠誠や愛着など全く関係ない。非常に興味深い。幾つのクラブでプレーしたかが、選手のキャリアとして評価される一面である。
話は少しそれるが、少し前の新聞で、イングランドのサッカー選手が不動産投資で一財を築いているという報道があった。今、英国は住宅投資ブームのようだ。リヴァプールも例外ではなく、住宅価格は上昇し続けているらしい。その報道によれば、プレミアリーグの選手たちは更衣室で住宅投資についての情報交換をしているということだった。
要はサッカー選手たちの金満ぶりを論う記事なのだが、更衣室での情報交換は本当かどうかあやしいし、逆に言えば、彼らが限られた選手生活の後をしっかりと考えて行動している証拠とも言えるのではないか。英国の大手銀行には、そういった高給取りのサッカー選手を対象としたコンサルタントグループがあり、資産運用のアドバイスをしたりしているそうだ。
かたや、日本はどうか。この手の話はあまり聞いたことがない。比べるまでもなく、日本はイングランド以上にプロサッカー選手の枠が小さく、給料も少ない。そして、平均現役寿命も間違いなくイングランドより短いだろう。私の場合、選手時代に税理士である父親のアドバイスを受けてはいたが、29歳まで独身だった私は、使いたいように使っていた。入ってくれば、それだけ出ていくのがお金だと思っていたのだから、どうしようもない。他の選手も似たようなものだろう。ただ、所属クラブに対して、一方的に選手個人の資産運用に関して指導を求めるのもどうかと思う。
プロサッカー選手の引退後の生活というのは、非常に厳しいものである。だからこそ、現役であるうちに死に物狂いで頑張れるというのも事実ではあるが、引退後のキャリアの選択肢は多いに越したことはない。その選択肢を増やし、それを実現するためにも、引退後を見据えた資産運用というものを現役時代から意識し、実行する必要があると思う。
今後の日本サッカー界、何より次世代の選手たちのことを考えると、これは非常に重要な課題ではないか。