FIMBA卒業生の声 - Vol. 1
― どういった経緯でMBA・フットボール・インダストリーズをご存知になったのですか。
星見: インターネットで検索しているうちに偶然見つけたと思います。そしてアイスポというスポーツ関係者が集う勉強会を通じて知り合った、同コースの先輩でもある中村さん(2000/2001年度卒業生)や片山さんたちと情報交換をしながら情報を収集していきました。
― 同コースへの進学理由をお聞かせください。
星見: 以前、会社に勤めていた時から、いずれは好きなサッカー界に携わりたいと思っており、特にクラブチームの運営に関わる仕事がしたいと思ってました。ただ、サッカー界とは全く関わり合いのない世界で生きてきたので、何か現在の日本サッカー界に足りないバリューを身に付けないと入り込むのは難しいと思ったことと、日本国内にサッカービジネスに特化したマネジメントコースがなかったことが主な理由です。
― 実際に一年間通ってみて、いかがでしたか。
星見: 何といっても論文と試験が大変でした。講義を100%理解することは絶対にできませんから、終了後に友人に聞いたりしながら精一杯食らいついていったというのが正直なところです。論文は、当初こそブックレビューなど1,500ワード程度ですが、文字数もだんだんと3,000、3,500と増えていき、5,000ワードの論文を2本同時に書いたこともありました。ちなみに卒業論文は15,000〜20,000ワードが要求されます。
また、一般MBAの科目のみ試験もあります。2時間のうちに5問の出題から2問を選んで書くのですが、その場で考えて書けるほど英語力がなかったので、あらかじめ答案を作っておいて、後はひたすらそれを書いて手に覚えさせる時間が辛かったです。でもほとんどの科目で問題や過去問題が提示されたのがせめてもの救いでした。
逆に良かったことは、講義内容についてもそうですが、何といっても一年間でいろいろな人脈を築けたことだと思います。そして一年前の自分とは比べ物にならないくらい、英語で書く、読む、話す、聞くということが苦もなくスムーズに出来るようになったことも、今後の仕事に役立つという意味でも大きな財産です。
そしてサッカーの母国イングランドならではの素晴らしいスタジアムの数々や、世界一と言ってもいい観客の醸し出す雰囲気をすごく身近で感じ取れるのがたまりませんでした。
― 在学中に印象に残った出来事や、ためになった授業は何ですか。
星見: 毎週一回、サッカー界のいろいろな分野で活躍する人物を招いてのゲストレクチャーは非常に興味深いものでした。サッカークラブの会長やコマーシャル・マネージャー、現役の代理人、イングランドサッカー協会のスタッフなどゲストは多岐にわたります。これは日本では絶対に体験できない貴重な場だと思います。
そして「フットボール&ファイナンス」という講義も面白かったですね。自分はファイナンスのバックグラウンドがなかったのですが、それでも分かりやすくサッカー界を取り巻くファイナンス事情を教えてくれるのでためになりました。
― では、逆に苦労したことや不満に思ったことはありますか。
星見: 苦労したことは、やはり英語の理解及び論文執筆。でも、これも最後の方はだいぶ慣れてきました。
不満に思ったことはインターンシップがきちんと体系化されたプログラムでなかったことや、短期集中型の一般MBAの講義形態(最初の6週間の月曜、火曜に朝9時から夕方5時まで教場に缶詰になって通常のMBAの学生と共に講義を受けました)、そしてコース修了後の就職活動へのサポートが全くないことです。
― このコースはどんな事を求める方に最適だと思われますか。また、その逆のケースも挙げていただけますか。
星見: このコースを修了すればヨーロッパのサッカークラブやサッカービジネス関連企業に絶対就職が出来ると思っている人、またはそれを目的にしている人にとって、このコースは最適ではないと思います。
結論から言うと、卒業後にこちらでサッカー関連の仕事に就くのは、非常に難しいと思います。ワーキングヴィザ取得の問題や、ビジネスレベルでの言葉の問題がありますし、リヴァプール大学のフットボールMBAコースは就職の斡旋などは一切してくれないので、全て自分の人脈と努力で仕事を見つけなければいけません。良くも悪くも全て自分で道を拓いていかなくてはならないので、その難しさは想像以上です。
ただ、西野さんのように既にサッカービジネスに関わっていて、自分のキャリアアップのために人脈を伸ばしたい、ノウハウを吸収したいという人にはいろいろなチャンスが転がっていますから最適だと思います。(無論、そのチャンスも自分でモノにしなくてはいけないのですが)
― ご卒業後の進路および今後のキャリアプランをお聞かせください。
星見: 自分は地域に根ざしたクラブチームをサポーターと共に大きくしていくという事に魅力を感じていますので、それを追求していこうと思っています。現在はイングランド及びヨーロッパのクラブチームに出願していますが、日本国内のクラブチームにももちろん出願して、こちらで培った知識と語学力を生かして、Jリーグの国際化にも一役買いたいと思っています。
― 同コースへの入学を希望する皆さんにアドバイスをお願いします。
星見: ただ漫然と「サッカーを勉強したい」ということではなく、自分の興味のある分野及び将来何がやりたいか(例えばクラブチーム運営、代理人、サッカーマーケティング、スタジアム運営等)を出来るだけ明確に決めておいた方がやりやすいと思います。
あと、英語の勉強はやればやるだけ自分を助けてくれます。それは文法だけでなく、実際に日記を英語で書いたり(ネイティブの人にチェックしてもらうとベター)、DVDを英語字幕で見たり(これは語彙取得にもなります)、英字新聞を読んだり、恐れずに英語で話したりといったことも含まれます。
ですが、そうした準備が万全でないからといってこちらで全くチンプンカンプンかというとそうでもないので(自分がそうでした)、「何とかなるだろう」という適度の(あくまで適度です)楽観というか度胸もこちらで生活していく上では必要かもしれません。
― 最後に一言お願いします。
星見: 現在、自分は就職活動中です。この体験談を通じて私に興味を持たれたJリーグ関係者及びスポーツ業界関係者の方がいらっしゃいましたら、ぜひystar3@hotmail.comまでご連絡を頂ければ幸いです。よろしくお願いします。
※星見さんは2004年より東京ヴェルディ1969事業推進部ファンデベロップメントチームでご活躍されています。主にサポーター窓口、ファンクラブ運営管理、スタジアムボランティア運営管理、ホームページ運営に携られている一方で、営業やホームタウン地域担当なども務められています。
1974年生まれ、神奈川県出身。ゲームソフト会社に3年半勤務した後、一年間の語学留学を経て2002年9月、同コースへ入学。卒業論文のテーマは『サッカーファンのロイヤリティ分析〜優良顧客を得るためにサッカークラブが為すべきこと〜』。
連絡先:ystar3@hotmail.com