コーチの志 - Vol. 6

マンチェスター・ユナイテッドのサッカースクール

今回はマンチェスター・ユナイテッドサッカースクールについて書きたいと思います。 MUSS (Manchester United Soccer Schoolの略)は、現在4タイプのサッカースクールを展開しています。一つは海外でのスクールで、昨年はトップチームに帯同してアメリカへ遠征しました(ちなみに2年前には日本にも行ったようです)。そして去年の4月からはパリのディズニーランドで、9月からは香港でもスクールを開校しました。また、ロードショーと呼ばれるコースではコーチ陣が土曜、日曜日を利用してイギリス各地を周り、サッカー教室を展開しています。

そして、今回私が参加したのが、レジデンシャルという合宿形式のサッカースクールです。このコースは、4週間スタッフォードシャーという場所にあるデンストーン・カレッジで行われ、主に各自が1週間単位で参加できます(希望によっては2、3、4週間ステイする子供達もいます)。また、チーム単位での申し込みもでき、その場合はコーチ一人が専属で1週間チームを見ることになります。

大まかな1週間の予定を下に記しておきます。*(スケジュールは週によって若干変更があります)

(日曜日)
2時〜4時 受付 
4時 シニア(12〜16歳)とジュニア(8〜11歳)に分かれミーティング 
6時 夕食 
7時 アイス・ブレイクのセッション(グループに慣れるための簡単なセッション)
9時 ミーティング
10時 就寝

(月、火、水曜日)

8時 朝食
9時〜12時 練習
12時〜1時 昼食
1時〜2時 マンUについての歴史、スポーツ栄養学、サッカー選手の生活の仕方などについての講義
2時〜3時 プール、テニス、バスケットなどアクティビティータイム、自由時間
5時 夕食
6時半〜8時半 練習
9時 ミーティング
9時半 シャワー、シューズ磨き
10時半 消灯

(木曜日)  
木曜日は朝食後、オールド・トラフォードへ移動しスタジアムツアー、ミュージアム見学、またはトップチ−ムの日程しだいでキャリングトン(トップチームの練習場)にて練習見学
*日程が合えばトップチームの試合も観戦。ちなみに第2週目はボーダフォン・カップの2試合を観戦しました。そして、キャリングトンにて行われた、ナイキプレミアカップの試合も視察。(ナイキプレミアカップ=U-15の世界大会。マンU,インテル、コリンチャンスなど世界各地の予選を勝ち抜いたチームが参加。ちなみに日本からは柏レイソルが参加していました)

(金曜日)
8時 朝食
9時〜12時 練習・スキルズ・ファイナル
12時〜1時 昼食
1時〜2時 紅白戦
3時〜4時 閉会セレモニー

このように、1週間、文字通りサッカー漬けの毎日を送ることができます。その他にも、外部からチームを招待して試合を行ったり、最終日の金曜日の昼食前にはスキルズ・ファイナルと呼ばれる大会があります。これは1週間を通して行われるテクニックテスト(ドリブル、シュート、パス等)5種目の中から、各グループで一番成績の良かった選手が他のグループの成績優秀者と競い、優勝者を決めるちょっとした大会です。この中の優勝者は11月にもう一度マンチェスターに招待され、ロードショーやその他のサッカースクールの成績優秀者と、もう一度競い合うことになります。閉会セレモニー時には、1週間を通してサッカーに熱心に取り組めた選手にマンU選手のサイン入りユニフォームをプレゼントしたりと嬉しい企画も盛り沢山です!

場所は、スッタフォードシャーのデンストンカレッジという、自然に囲まれた素晴らしい場所にあります。天然芝のサッカーピッチが6面、スポーツホール、プールなど施設は申し分ありません。車がない場合は、多少不便ですが、前もってアレンジすればマンチェスター空港までの送り迎えも可能です。

1週目は、約220人、2週目は多少減り180人、3週目も200人以上と、8歳から16歳の少年、少女が世界各国から集まりました。レベル的にはうまい子もいるし、初心者に近い子もいますが、なんといっても世界各国の子供たちが参加しており、親元を離れて過ごす1週間は子供たちにとって世界各国の友達と過ごす、忘れられない素晴らしい経験になると思います。さらに、子供達にとっては、英語に触れ、かつ興味をもつ最高の機会にもなり、母国語を英語としない国の子供で、パーフェクトに話せない子供達もサッカーを通じて仲間と打ち解けていました。

今回日本からはボーダフォン・カップ時に浦和レッズから9人の日本人の子供達が参加しましたが、外国の子供達が日本語に興味を持ったり、ある日本人の子の誕生日に、みんなで"Happy Birthday"を歌ったりと、言葉の通じない異国で、海外の選手を相手にサッカーをすることで、お互いが様々な貴重な事を学んだのではないでしょうか。今回私はコーチとして参加させていただきましたが、私自身、世界各国の子供達との交流を通じて、各国のサッカースタイル、または考え方の違いを実感し、サッカーを通じてみんなと過ごせた事は大変素晴らしい経験となりました。


志垣 良(しがき りょう)志垣 良(しがき りょう)

1980年5月9日生まれ、福岡県出身。小学校1年からサッカーを始め、東福岡高校卒業後、渡英。

現在、リヴァプール・ジョン・ムーアズ大学でサッカー科学を専攻するかたわら、トランメア・ローヴァーズ下部組織とマンU・サッカースクールでコーチを務める。

FAコーチングライセンスおよびFAインターナショナルライセンス保持。

連絡先: ryo32@hotmail.co.uk